オンラインカジノは違法なのか、合法なのか

5年前、「スマートライブカジノ事件」という事件が発生し、オンラインカジノファンを震撼させました。また、この事件をきっかけにオンラインカジノの違法性が大きな話題になりました。オンラインカジノは誰しもが分かる通り、ギャンブルです。そのオンラインカジノに日本の「賭博罪」を適用できるのかどうかを問われたのが、スマートライブカジノ事件です。

スマートライブカジノ事件とは

実は、スマートライブカジノ事件以外にも、警察はオンラインカジノにおける摘発を多数行っていますが、対象とされたのは「インカジ」と呼ばれる業者でした。店舗の経営者や従業員、客が逮捕されています。

インカジとは、インターネットカジノを略したもので、ネット上のオンラインカジノを利用して賭博場を開く店舗のことです。多くのインカジでは、店舗に置かれているパソコンで客にオンラインカジノでプレーさせ、客から「ショバ代」として手数料を取っていました。なお、ネットカフェと同じような形態でカジノを運営していることから、「カジノカフェ」とも呼ばれていました。

実は、スマートライブカジノ事件はこのインカジのケースとは全く異なります。一般市民が自宅で自分のパソコンからオンラインカジノの1つであるスマートライブカジノにアクセスし、友人2人とブラックジャックにお金を賭けていたというものです。警察は当人達のブログやSNSの情報から3人を割り出して逮捕しました。逮捕の容疑は3人が自ら賭博場を開催していたというものです。

結果としては、3人の内2人は単純賭博罪を認めた上で略式起訴を受け入れ、罰金を支払いました。ところが、残る1人はオンラインカジノでお金を賭けたことは認めましたが、賭博罪には納得しませんでした。そして、以下のことを主張して徹底抗戦した結果、不起訴となりました。

①日本の賭博罪は胴元を処罰するためのものであり、胴元を摘発していないのに、プレーヤーだけに賭博罪を適用するのは不当だ。
②自宅で行ったオンラインカジノを利用したブラックジャックのプレーが、日本人の運営する賭博場に該当するとしたのは妥当ではない。
③海外業者であるスマートライブカジノは合法の証明とされるライセンスを取得している。

スマートライブカジノ事件が不起訴とされて以降、ネット上のオンラインカジノのゲームでプレーしている利用者が警察に捕まるということは起きていません。

自宅でのオンラインカジノが賭博罪を摘発されなかった理由

日本では競馬や競輪、競艇、オートレースなどの公営ギャンブル以外で賭博行為をすることが禁止されています。それなのに、スマートライブカジノ事件の容疑者が不起訴とされたのは、以下の2つの要件に適合しないことで、賭博罪を適用できないとされたからです

1.罪刑法定主義

日本の刑法では、「罪刑法定主義」が原則とされています。罪刑法定主義とは、法律に反する犯罪の内容や犯罪に科す刑罰が法律に明記されていなければならない、という考え方です。逆に、法律に定めていない行為に対して罪を科してはならない、ということでもあります。日本の刑法にはオンラインカジノに対する記述が全くありません。

2.対向犯

賭博罪の概念には、「対向犯」という考え方があります。対向犯を簡単に言うと、賭博行為をしている胴元と客の双方が同じ場にいるというものです。ところが、オンラインカジノを運営しているのは海外の業者であり、またランドカジノと違って現実の賭博場が存在しないため、対向犯が成り立ちません。

上記2つのことから、オンラインカジノに罪を科す法的根拠が無いため、オンラインカジノでプレーする人が捕まることはありません。ただし、現状はあくまでもオンラインカジノを規定する法律が無いだけであって、賭博行為であることに違いはありません。強いて挙げれば、白でも黒でもない「グレー」と言えます。

ちなみに、賭博罪というのは胴元を摘発することを主な目的としています。従って、一般市民同士が麻雀やトランプでお金を賭けてプレーしても、よほど悪質でもない限り捕まることはありません。

オンラインカジノとインカジの根本的な違い

賭博罪が適用されないオンラインカジノではあっても、以下のような利用の仕方をすると賭博と見做され、罪を科されます。

①日本の業者が日本国内に店舗を設け、オンラインカジノを利用した賭博場を提供する。
②不特定の客を集めてお金を賭けさせ、手数料などを徴収する。
③日本の業者が客との間で、賭け金や勝利金などの現金の授受を行い、客をサポートする。

インカジが警察に摘発されたのは、例え海外業者のオンラインカジノの提供ではあっても、上記の条件に該当したからです。オンラインカジノに登録し、オンラインカジノの口座に現金を預けてプレーする限りは、警察に捕まることはありません。

まとめ

海外業者が展開しているオンラインカジノは、現状では違法とされません。ただ、実際にはグレーであり、合法でもありません。現在、国会ではIR法案(カジノ法案)が検討されており、今後のオンラインカジノに対する国の判断を注視する必要があります。